技術の発展により、ロボットやAI(人工知能)が身近なものになってきています。みなさんがお持ちのスマートフォンにもAI機能が搭載されていたり、会話したり声で操作したりできるAI搭載アプリも多く出てたりしています。AIを利用したロボットが接客してくれるシーンに出会うことも出てきました。
建設業でも、大手ゼネコンなどを中心にAIの開発や活用が進んでいます。施工の効率化や自動化によって、建設業界も大きく変わろうとしているのです。
そこで今回は、建設業のAI実用例や、AIと人の今後の働き方についてご紹介します。
■建設業界の最新AI実用例
測量作業にレーザースキャナーやドローンが使われ、設計図は3次元データで作成するなど、建設現場では設計・施工の様々な工程で新技術が使われています。
・大成建設の無人化施工システム
大成建設では、建設機械の自律走行を助ける制御システムに加え、作業員との接触を防止する検知システムを開発。自律走行できる建設機械にセンサーを取り付けることで、現場での熟練作業員の作業情報を取得させ、AIを活用した画像データから人や障害物を検知できるようにしました。
このシステムを搭載した機械を、土を固める振動ローラーや、岩を砕くブレーカーに導入。これにより作業を監視するスタッフが不要になり、複雑なノウハウがいるブルドーザーも無人で運転できるようになりました。次世代型の無人化施工システムにより、高精度で安全な施工が実現しているのです。
・米Doxel社の自走式3Dスキャナー
米Doxel社は、工事の進み具合や現場の状況をリアルタイムで把握し、メッセージを送る施工管理システムを開発しました。ドローンや自走式の3Dレーザースキャナーが現場を毎日走行しながら3D計測しています。
台車に取り付けられた3Dレーザースキャナーは、足場や階段を移動しながら現場をまわり、自動的に点群計測をします。集められた点群データは、AIによって判別され、予定より遅れがないか、設置にずれがないか確認していくのです。進捗状況の遅れや設置の精度に問題がある場合は、施工管理者のスマートフォンに警告メッセージが届きます。
このようなシステムによって、生産性がアップしただけでなく人件費などのコスト削減にも繋がっています。
・鹿島建設の溶接ロボット
鹿島建設では、繰り返し作業や負担の大きい作業などを対象に、自動化やロボット化を推進しています。すでに、柱の全周溶接と梁の上向溶接について、溶接ロボットを用いた作業を本格的に適用しました。
人間には不可能だった下方からの上向溶接によって、溶接の品質・性能が大幅に向上し、工程の短縮が実現しています。今後は、溶接ロボットのオペレーターの育成・訓練を含めた全体的な施工システムの構築を目指しています。
■AIが得意なことと苦手なこと
AIの進化によって建設業界も大きく変わっていくことが予想されます。AIによって人の仕事が全て奪われてしまうのではと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、AIには得意なことと不得意なことがあります。AIの大きな特徴は、学習して行動する点にあります。これによって、学習データや過去の工事データから目の前の状況を確認し、即座に解決法を提示したり、危険予測をしたりします。作業現場の安全性の向上や効率化、人材不足解消に貢献することが期待できます。
一方AIは、自分の意思で考えることはできません。建物を使う人の気持ちに配慮したり、クリエイティブな発想をすることは苦手なのです。このような分野では、まだまだ人間の力が必要され続けていくでしょう。
■AIと職人が共存する新しい働き方
現在の建設業界は3Kと呼ばれ、人手不足も深刻です。しかし、AIと職人が共存して働くことで、無駄を省き生産性を大きく上げることができます。おそらく、危険な現場はAIを活用することで自動化し、経験が必要な作業は職人が担当するようになるでしょう。「AI×建築業」で、働きやすい環境づくりが進んでいくことが期待されます。
千葉県八街市の笹川鉄筋工業株式会社では、高い技術を持った職人が多く在籍しています。鉄筋工としての技術と知識を身につけていける当社で、今後の建設業界で求められる人材として活躍してみませんか?
<笹川鉄筋工業株式会社>
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